先週の日曜は日本ダービー。
ダービー開催までの1週間(先週)を「ダービーウイーク」と呼ぶ、
ちなみに有馬記念の時は「グランプリウィーク」。
今のフジテレビの中継はアイドルを使ったりしてバラエティ色を出してはいるが、
昔は川口浩とその奥さんが司会をやっていて、当然ながら大人の雰囲気だった。
アイネスフウジンの中野コールから競馬は一般化され、
若い人や家族でも楽しめるようになった。
そしてオグリキャップの活躍でその頂点を迎える。
今はスターホース不在のせいかいまいち盛り上がらないようだ。
昔っから競馬環境にならされていた私は当然のごとく競馬好き。
競馬についていろんなエピソードが私にはあるが、
全部書くには大変なので小出しに書くことにする。
今日は初めて場外馬券場に行った話。
高校2年の正月。競馬を知っている人ならわかるだろう
そう「金杯」の日だ。年明けの開催初日は金杯が行われる。
毎年正月は中央競馬(JRA)は平日行われたりする変則開催になる。
平日の競馬というのも妙な趣がありそうなので、
その日を選んで行くことにした。行った場所は浅草。
理由はいくつか有る、まず家から近くよく行くので慣れている。
そして当時、100円馬券が買える場外は後楽園、錦糸町と浅草しかなかったからだ。
着いてみると、想像した通り「場末」の言葉が良く似合う。
今でこそ禁煙だと思うが、フロアーは煙草の煙で白っぽくなっていて、
床ははずれ馬券と新聞紙が散乱している。
私は空いている壁のスペースを見つけ新聞紙を敷き、
もたれかけながら座って予想をはじめた。
周りを見ると若い人は自分くらい、板前さんのような格好の方も何人かいるが、
大方の人は普段何をやっているの?というわけの分からない人達。
人ごみの中歩いていると、ヌッと私の前に現れたドカジャンを着た初老の人がいた。
すぐに脇によけたのだが、かけていたメガネが片方割れている。
スゴイ人がいるなぁと感心すると、窓口のおばさんと馬券でもめている人もいる。
場外は今と違って発走の10~15分前に発売締め切りになる。当時はマーク式ではなく、
口頭で「*レース連勝サンナナ3百円」と1点づつ言わなければならず、
混んでいると締め切りに間に合わなかったり、買う番号を間違って伝える可能性もあった。
そうしたトラブルで血の気の多い客は怒鳴ったりするのである。
見るとすぐに警備員が飛んできて収拾していた。
そんなんだから、女性客というのがほとんどいない。
いても、チン●ラが馬券場に立ち寄っているところに
付き合わされている女の人がいるくらいだ。
当時浅草には無かったが、錦糸町の場外に女性専用窓口があった。
そこを覗いてみると、確かに女性はいるのだが
くわえタバコで鼻から煙を出し、新聞を見ている姿は
「特に女性専用でなくても…」と思うほどの集団。
その辺の飲み屋のオバちゃん達って感じで、
専用窓口があるから若い女性も安心!ってわけにはいかない。
今思うと隔世の感があるが、逆にどこの場外もWINSと改名し、
私からせびり取ったお金を使い、どこの競馬場もWINSもピカピカにした。
(昔の中山競馬場で食べた煮込みが懐かしい。)
あの頃馬券を買っていた人は、オグリキャップなどの競馬ブームの時は
さぞやりにくかったろう。
毎年「金杯」の日は浅草に行くようにしている。
浅草は今現在も同様な趣はあるが若い人も女性客も見られ、
昔とは比較にならないほど快適に競馬を楽しめる。
あの頃の人は今ごろどうしているだろうか?