帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

魔法のビール

今年の夏、取引先の人と飲んでいたら
やおら本を取り出し、
「いけちんさんはビールが好きなんですよね」
というので、肯定すると
「こういうお店があるのですが…」
と、書いてあるお店を紹介してくれた。

その本は、飲み屋さんを紹介するもので
ガイドブックのようなものだが、写真などは一切ない。
そこには、
『…ビールというとおなかがいっぱいになってしまうものだが、
ここのビールは何杯飲んでも大丈夫…初めて飲んだ人は、
ビールの概念が変わったと思うだろう。』
などと、ビール好きである私の好奇心を奮い立たせるに
あまりある文章が書いてあった。

新橋にある「ビアライゼ'98」というお店。
早速ネットでいろいろ調べると確かに紹介された本の通り
興味をそそる内容が出ていた。
早速行ってみようと思っていたのだが。
残念ながら夏休みなどがはさまったり、仕事の都合で行けなかった。
ようやく今週夕方に新橋に行く予定を半ば強引に入れて、行ってきた。
しかし、一つ気になるあることがあった。
ビールはアサヒを使っているらしい。
アサヒはあまり好きなビールではない。
私は根っからのキリン党。
(まぁ、お店にアサヒしかなければそれでもガンガン飲むのだが…)
ちょっと不安になったが、きっと概念が変わるぐらいなのだから
逆にどんなアサヒの味が出てくるか楽しみに変わった。

開店は5時だが、打ち合わせが延びて店に入ったのが6時過ぎ。
だけど店内はすでに満席状態。
ほとんどの人は陽気に騒いで出来上がっている。
一体この人たちはいつから飲んでいたのか?
カウンターの隅っこが一つだけ空いていて奇跡的に入れた。
早速“生”を注文して、一口いただく。
噂にたがわず、「おいしい!」
アサヒをこんなにおいしく感じたことは初めてか。
まさしく魔法のビールだ。
アサヒのあの独特な金属的な味を感じることなく、
逆にまろやかさにも似た感覚。
炭酸を飲んでいる気がなく本当に何杯でも飲める。
あとで知ったのだが、アサヒと言ってもスーパードライではないらしい。
それも自分にとっては好印象。

私が座ったら隣の人がすぐに席を立って帰ってしまったが、
またすぐに一人の50代?くらいのサラリーマンが座った。
その方は常連のようだったので、
「よく来るんですか?」と尋ねた。
「月に1、2回程度であまり来ないかなぁ」
とは言うものの、私が初めて来たことを言うと
WEBで知ったとおりの蘊蓄やメンチカツがおいしい
などこの店の流儀などをいろいろ聞かせてくれた。
「開店直後の早い時間に来てあのマスターに
 ビールの話をいろいろ聞かせてもらうといい」
なるほど、マスターも話し好きと言うことがわかった。
今度はそうしよう。
「では、今日はこの辺で失礼します」
と礼を言って帰ろうとすると、
「今日は何杯飲んだの?」
「3杯飲みました」
「5、6杯飲まないとだめだなぁ」
と、言われてしまった。
この日は軽く様子見だったので、
家に帰ってからもメシを食べる予定を告げ席を立った。

でも確かに軽く5、6杯は飲めてしまう魔法のビールだ。