帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

神様の火は…

好きな作家に高村薫がいる。
初めて読んだのは「マークスの山
分厚い単行本を一気に読んだほど面白かった。
それからこの作家の作品を読んだものだが
その中で「神の火」が今回の原発事故で思い出された。
内容はソ連のスパイであった元原子力技術者が
再び国際諜報戦に巻き込まれ、ついには
原発襲撃計画を実行する。
最終的に圧力容器のフタを開けるとんでもないことをやるんだが、
その描写があまりにも難しくてよくわからない。
細かい取材で知られる高村さんも理解し
わかりやすく書いているとは思うが、
原子力という高度な技術は凡人の私には理解できない。
話としては重たく読み応えがあった。
その中で
「人間は“絶対”という言葉を使ってはいけない生き物なんだよ」
という一節がある。
ギリシャ神話で言うプロメテウスが人間に火を与えてから
火は時には暴れながら何とかうまく使いこなせてきた。
原子力の火は残念ながら人には余りあるものなのかも知れない。
それでも使わなければならないエネルギー事情は理解できるが
今まで技術者や電力会社が嘲笑しながら
「絶対安全」と言い続けたことは万死に値しよう。
いまや何号機がどうかなど正直興味も無く、
水かけてどうしたのかなど、勝手にやってくれと言いたい。
総理じゃないが、情報もまとめきれず、ろくな会見もできない
あの会社に絶対安全と聞かされ続けた私らがバカに思えてきた。
今更反原発と言うわけではないが…
それにしても、放射線の中決死で水をかける方々を
賛辞しないわけにはいかない。
がんばれ警察、消防。がんばれ自衛隊
くたばれT電。