帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

♫ あなたは~もう~、食べたのかしら~

ウナギの~蒲焼き~、かんだが~わ~

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昨日20日はあっしのジイさんバアさんの
37回忌法要だった。
浅草稲荷町にあるお寺に10時集合。
久しぶりに見る親戚もあり
なんか珍しく緊張も。
昔のお経は結構時間がかかったけど
今や実質20~30分くらいで終了。
法要中、気がつかなかったが、
11時からの法要の方がすでに控えている。
そのせいか、功徳が足りないせいか
エライ短い。
まぁ長く苦痛に感じるよりはイイとは思うが、
お布施が損した気分になるのは
痛し痒しと言ったところか。

ウチのジイさんは生前うなぎが大好きだった。
その事もあって今回の法要後に、
鰻の老舗、神田明神
秋葉原にある、あの有名な「神田川」へ。
桂文楽の落語「素人鰻」の中に出てくる、
神田川の金という鰻職人がいたというところ。
その神田川である。
以前1周忌だったか3回忌だったか、
まだ、神田の町内にジイさんの知人・友人が
多くいたせいもあり、
大勢でここを使ったことがある。
そん時以来だから30年以上ぶり。
しかし、見ての通りまったくと言っていい程
風貌は変わってない。
粋な黒塀、見越しの松を地でいく。
若い兄ちゃんがお出迎え。
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今日は売り切れの札がぶら下がってる。

ごめんこうむる。
きょうよやくをもって、
売り切れあいなりそうろう。

う~む、何とも粋だね~。
土用の丑が近いせいもあるが、
行く前に調べると何と丑の日は混雑するため
質が落ちてしまうので、休みとあったが、ホントか?
稼ぎ時なのに豪儀な話である。
中に入り2階に通されるとまさしく料亭のようだ。
14名だが、鶴の間と亀の間の二間ぶち抜きで
広く使わせてもらう。
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(こちら亀の間)
反対側の鶴の間の床の間(変な日本語)には
なんと十手が飾ってある。
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八丁堀の旦那も来たのか?

まずは先付け。
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枝豆に板わさ、それに白エビって言ってた。
醤油をかけず、そのままで
これが薄いがほんのり味がして
何とも上品。
のっけからいい感じではあったが
ここから鰻屋の苦悩が始まる。
鰻屋はそれはそれは時間がかかる。
しかもこういうところは、
客の顔を見てから捌くというから大変だ。
一つ食いモンが出ては次が出るに
ゆうに20分くらいかかる。
こちとら育ちがイイもんで(笑)、
早食いなら負けたことがないくらい。
だからすぐに手持ち無沙汰になってしまう。
久しぶりの親戚にあっても
ちょっと話をしては終わって、
そりゃお通夜のようだ。
まぁ法事だからそれもいいけど。
次に出てきたのは、
貝の青柳。それも醤油をかけるでなく、
そのままでほんのり味がする上品なモン。
そして、次になんと、
いきなり白焼き。
ここで痛恨のタイムリーエラー。
いきなり鰻が出てきたモンだから
写真を撮るのを忘れました。
以前、W杯サッカーで
「急にボールが来たもんだから」(QBK)と言って、
世界中を震撼させた人がいたけど、
そんな気持ちがちょっとだけ分かった気になる。
う~む、でもすっげーうまかった~。
それからまた20分程。
次には「うざく」。
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きゅうりと鰻の酢の物をうざくという。
酢の物が苦手なあっしではあるが、
それほど酸っぱくなく
上品な味なので食べられた。
上の子が、
「お父さん、要らなければ食べてあげる」と
あっしのうざくを期待していたが、
残念!食べてしまいました。
そして、ここからまた20分ほど。
もう、入場から1時間は軽く経っている。
ようやく来たのは真打ち鰻の蒲焼き。
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これも、あまりに待たされたため
撮る前に一口食べてしまいました。
(育ちが良いもんだから・・・)
いや~これもうまい!
待たされた分もあろうが、
こんな鰻はなかなかねぇ。
二きれ来るとは驚き。
串が5本づつで10本刺さってあったけど、
串を持って帰りたかった。
これを歯で身をそぎ落としながら
ご飯1杯はいけるんでないか。
(育ちが良いもんで・・・)
店のお兄さんが、
「お食事(ご飯)はもうお持ちします?」
と聞くので、
せっかくの鰻は我々の勢いでは
すぐになくなってしまう。
その後でご飯が来てはホントに串を
ペロペロしなければならなく事が容易に
想像できるだけに、皆同様に
「すぐに持ってきて!」
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ご飯と、写ってはいないが
赤だしのみそ汁が運ばれる。
う~む、コースによりけりか、
肝吸いではなかった。
でも、個人的には赤だしが好きだし、
大変おいしかった。
皆、満足そうに二きれも食べられない、
折に詰めてもらおう何て話しながら、
お茶がやってきた。
あれ、もう終わりか?
いや、メロンがまだだ。
当然の事ながら水菓子は出るだろう。
フルーツと言えばメロンと決めつけて
勝手にメロン、メロンと言っていると、
「グレープフルーツだったらどうする?」
きっと聞こえてるから、
「今頃買いに行ってるかも知れない。」
何て笑って時間をつぶすことやっぱり20分。
やって来たのはグレープフルーツ。(笑)
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いや、でも何かがちがう。
ただのグレープフルーツではない。
ゼリーだ。
このクオリティも高い。
最初から最後まで上品な味は変わらなかった。
帰りに、階段のところにあった
置物と色紙。隣には桂文楽全集。
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色紙を見るとこれがスゴイ。
志ん生圓生文楽、円歌(多分先代)、
可楽、柳橋、小勝、小さんらのサイン。
こりゃ凄すぎる。
マニアにとっては垂涎ものの色紙。
価値にしてどのくらいだろう?
文楽の住んでいた黒門町もこの近くだ。

まぁとにかく時間がかかった。
入ってから出るまで、たっぷり2時間半。
育ちのイイ人(?)には向かない宴席だが、
ホンにおいしい。
でも今度はいつ敷居を跨げるか・・・