帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

大あたり!

c0a59c57.JPG前回からつづき

次の朝、盛岡市内で仕事。
在来線に乗って10分ほど田舎の駅で降りる。
そこから20分ほど歩き目的地へ。
もちろん一面は田んぼ。
スーツ姿で歩く人は皆無だ。
用件を済ませ駅に戻る道すがら
地元のオバサンが向こうからやってくる。
すれ違うところで、挨拶された。
「何だろう誰かと間違えているのか?」
私も瞬間的に会釈はしたものの何が起きたか
わからなかった。
また、5分ほど歩いてさっきの人よりは
もう少し年配のオバサンが歩いてきた。
するとやっぱり「こんにちは」と来たもんだ。
すかさず私も「こんにちは」と返す。
何だろうかこの町は善人の住むところか?
とにかく道行く人に挨拶するというおおらかさ。
こうした土壌では変な事件など起こらないのだろう。
昔の日本はどこもこんなンだったと思う。
美しい国ニッポンとは
こうしたことを指すのだろう。
(わかるかシンゾー、年金返せ!)

美しい国にプチ感動してそのまま秋田へ。
秋田新幹線に乗り秋田市内で午後仕事。
気温が27℃くらいあっただろうか、
北国での仕事とは思えずちょっと歩いただけで汗だくに。
終わるとこの日の宿泊地八戸に向かう。
盛岡に戻り「こまち」から「はやて」に乗り換え。
この二つは全車指定席。自由席がない。
だから乗るには時間(号車)を指定。
それに合わせて仕事をしなければならず
ちょっと焦ることもあり、何故に自由席がないのかと思う。
しかし盛岡から八戸の間は面白くなかった。
何せ山ばかりのせいか、トンネルばっかり。
景色はほとんど楽しめない。

そして、公私ともに初の青森県入り。
しかし八戸駅前でうろうろ。予約したホテルが見つからない。
ふつう改札を出たところや駅前に周辺の地図があるモンだが
見落としたのか無かったのか、よくわからない。
それに駅を出てちょっと驚いた。
東北新幹線の終点というのに、駅前のメインストリート(?)に
3階建て以上の建物がない。ほとんど2階建て。
空が恥ずかしいくらいによく見える。
智恵子抄の「東京には空がない」とはこんなところだろうか。
「八戸には空があった」。
(後で聞くと八戸駅より本八戸駅が市の中心地だそうだ)

それはともかく場所がわからない。
仕方ないので宿へ直接電話して聞いた。
歩いて5分くらいのところだが、ウロウロしていた時に
駅前のはずれに海鮮居酒屋なる興味高まる店を発見。
早速行ってみることにした。何か期待が持てそう。
そこは座敷席ばかりで一瞬、一人客はダメかなと思ったが、
威勢よくかつ丁寧に対応してくれた。
私は魚と言えばアジが好きで、たたきをよく注文するが、
この辺はアジは獲れないようで品書きには無かった。
釣りをしない私はその辺がよくわからない。
すると聞いたことのない「アブラメ」というのがあった。
聞いてみるとアイナメのこと。
土地によってはいろんな言い方があり、八戸ではそう呼ぶらしい。
それを注文し、次にホヤの活作りがあったので注文した。
ホヤは嫌いな人も多いかと思うが、私は新鮮ならば食べたい。
店の入り口付近に生け簀があり、確かにホヤがいる。
それをとって食べればきっと新鮮で臭みはないはず。
そこまで注文すると、店の人が
「おすすめはカワハギの活作りです」という。
ちょっと高め(¥1,000)のそれは
この時期美味しいですよと言うので、
思い切って注文。

まずホヤが来た。やっぱり美味しい。
次にアブラメ。これも脂がのって美味しい。
そして満を持してカワハギの登場だ。
活作りのカワハギはこころなしか目を潤ませながら
私を見ている。(写真)
店の人が「真ん中にあるワタと一緒に食べてみてください。
 美味しいですよ」と説明。早速一口。
ワタといっても見た目タルタルソースのようで
口の中でも魚の甘みがいっぱいに広がり、
苦さのような物が全くない。もちろん身も甘い。
すっごい美味しい!久しぶりに大あたりの食材だ。
こういうのを美食というのだろうか。
清水から飛び降りただけのことはあった。
(なんと低い舞台か)
聞くとこの店は八戸港に漁船を持っていて、
(それとも漁師が店をもっているのか?)
自分のところで水揚げした魚を出している。
だからどれも新鮮だ。
だったらもう少し安くならないかと思うが、
大あたりのお店だった。

翌日はレンタカーで青森市内まで行く予定だったので
お店の人にどれくらい時間がかかるか聞いてみると
「1時間くらいですかね」
これは楽勝だと思い。カワハギで一杯やりながら
明日の予定を立てることに。
しかし、これが大変な間違いだと翌朝気づかされる。

…まだまだ続く