帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

河童とD51

e1347d3b.jpg前回の続き

その日は宮古へ行って宿泊。
宮古はなんと言っても浄土ヶ浜
極楽浄土とは無縁のように思えるが
自然美というかすごさを鍾乳洞と同様
感じざるを得ない。
今回は夕方にそばを通るものの
立ち寄らず宿へ直行。

宿に着くと早速食事へ、
海鮮居酒屋というわけではないが、
いくつか海鮮ものがメニューにある。
そこでもホヤを注文。
しかしちょっと臭みが…
あまり新鮮ではなさそうだ。
がっかりしながら床につく。

次の朝早く起きて遠野へ向かった。
遠野のといえば柳田国男の「遠野物語
河童が住む街である。
前回来た時は2年前だったか。
ちょっと感動したことがあった。
それは2年前の同じ時期、
仕事を済ませトイレを借りに
道の駅へ立ち寄った。
さて次の地へ行こうと車に乗ろうとしたら
スピーカーからアナウンスが聞こえてきた。
「まもなく道の駅の裏を通る釜石線
 夏休みのイベントで走る蒸気機関車
 試運転のために通過します。
 ぜひご覧ください」
何だって!? SLが走ってくる!?
瞬時に自分の記憶の中に
生でSLが走る姿を見たことが無いことを確認。
先を急がなければならないが、これを逃すわけにもいかない。
早速道の駅の裏に出て
当時100万画素に満たない写メを手にし
今や遅しと待ちかまえた。
すると聞き覚えのあるシュシュシュシュという
音が聞こえてきたかと思いきや、
黒光りの車体がいきなりカーブから飛び込んできた。
しかもD51だ(写真2年前の写メ)。
煙を猛然と吐きながら走る姿はかっこいいの一言。
あっという間に駆け抜けていった。
「追いかけよう」
この先に遠野駅がある。きっとあそこで停まるはずだ。
とり急ぎ遠野駅へと向かった。
案の定遠野駅に停車していたD51
駅の外からはなかなか見えにくかったが
隙間からチラッと見える黒い車体が
少し見えるだけでも興奮していた。
しかしさらに感動したのが「遠野駅」だ。
駅舎も趣のある佇まい。
駅名の看板も筆で書いたような書体を用いて洒落ている。
駅前ロータリーには河童の像があり、
郵便ポストにも河童のオブジェがのっかっている。
駅舎の隣にある交番も河童をかたどった作り。
そのまた隣の観光案内所では
語り部の民話を無料で聞くことができる。
何かD51にこの街に連れてこられたような気がした。

今回も道の駅でトイレを済ませ、少し待ったが
D51は来なかった。(あたりまえか)
…つづく