帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

幻のラーメン

前回の続きというわけではないがラーメンの話。
前回ブログでWスープの意味が
わからなかったが、どうやら
魚介系のスープと動物系のスープの
意味らしい事がわかった。
実は今日も千葉方面を車で走っていたら、
ラーメン屋さんに“Wスープ”の看板が目にとまった。
しかも2店舗。何処もつけ麺がウリのようだ。
このWスープというのは
つけ麺には欠かせないアイテムなのかもしれない。
確かにつけ麺には通常のぶっかけ(?)とは違い、
濃厚なスープが必要かもしれない。
しかし、普通のラーメンにはやめて欲しい。
特に私のような醤油ラーメンを追求する人間にとって
つけ麺はその範疇にあらず、況んや醤油豚骨の家系ラーメンも
食すことは食すが、探究心は起こらない。

今までの人生の中で最高のラーメンは
北海道の愛山渓ドライブインのラーメン。
今から10年ちょい前の新婚旅行のこと。
阿寒から富良野に向けてのドライブで
お昼を食べ損ね、14時くらいになってしまったか、
お腹が空いた私らは国道をひたすら走っていた。
上川町に入るとそこはラーメンの町らしい。
ただ、そんなことは知らず次に現われた
食事のできるところで
食べようとしていただけだった。
そこへドライブインの前を通ったのだった。
新婚旅行でドライブインなんて…
と最初は思ったが、背に腹は代えられない。
他に選択肢がない。
とりあえず他にメニューもあったが
2人ともラーメンを注文。
店の中には毎年のようにこのドライブイン
訪れているようであるヒゲの三笠宮の写真が
いっぱい飾ってあった。
「ふ~ん結構この店有名なのかなぁ?」
どうやら宮様はスキーをしに来たついでのような
写真ばかりだったので、
「まぁ他に食うところも無さそうだしな…」
とタカをくくっていたら
注文のラーメンが出てきた。
一口、二口食べて言葉を失う。
奥さんと思わず顔を見合わせたほど。
凄いうまい!
お腹が減っていたこともあるが
あんなにうまいラーメンは食べたことがない。
宮様もスキーがついでで、
ラーメンの方がメインだったかもしれない。
実は後日、新横浜のラーメン博物館に行ったら
愛山渓ドライブインの名入りのどんぶりが
飾ってあった。やはり有名だったのだ。

また、私には幻のラーメンがある。
秋葉原の「いすず」だ。
電気街口の改札を出て市場へ出たすぐのところにあった。
厨房を囲むようなL字型のカウンターに
7~8席しかない3~4坪ほどの小さな店。
そこはラーメン(醤油)しかない。
品書きには並と大盛りのみ。
醤油の味の濃度が絶妙なバランスで
とにかく美味しく、よく学校の帰りに
食べたもンだった。
それが10年ほど前だったか姿を消し、
風の便りに銀座に店を構えたという。
銀座にも早速食べに行ったが、何となく
味は守られていたようだったが、
味に銀座のテナント代が入っているような
気もした記憶がある。
2回目行ったときには秋葉原の味とは
だいぶ離れたような気もして…
そして気がつけば違う店になってしまった。
あのまま秋葉原で続けて欲しかった。

2年ほど前のこと、日曜日の午後のラジオで
「昔のあれなんだっけかなぁ~」のような、
記憶の隙間を番組が調べ埋めるコーナーがある。
何気なく聞いていたら、秋葉原の「いすず」の話が出た。
あのお店はどうなった?というリスナーからの
問いかけだった。私と同じ気持ちの人がいたと思い。
つい興奮しながら聞き入った。
番組では私と同じ銀座出店までは突き止め、
やはりお店はうまくいかずに潰れてしまったとのことだ。
これで終わりかな。と思ったら。
店は潰れたが、実は「いすず」の味を作った人が
上野で「青龍」というお店を開いているらしい。
その店の味が「いすず」と同じとのことだった。
これはいてもたってもいられない。
早速食べに行ってみた。

結果………タイトルに戻る。

時間というのは残酷だ。
もしかしたら同じ味なのかもしれない。
でも、私の記憶の味ではなかった…。
似ているかもしれないがちょっと違う。
幻とはこーゆー事を言うのかもしれない。