帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

「わんや」が帰ってくる?

昔々、銀座に「わんや」と言うお店があった。
以前のブログでも書いた覚えもあるのだが、
いちいち調べるのも何だから説明する。
居酒屋という紹介もあるのだが、
確かに飲み屋。
でも当時若かった私には居酒屋と言うより
ちょっと高めの飲み屋さん。
場所は銀座松屋の裏あたり、地下にあった。
店内は確か一面の座敷。(椅子席もあったか?)
何が面白いかって、毎週土曜日に
わんや土曜寄席といって落語が聞くことが出来る。
あの今は無き「ぴあ」にも出演者の紹介が出ていて、
中・高生だった私は、
いつか大人になったら「必ず行く」と心に決めていた。
よくよく「ぴあ」を見ていた私の推論だが、
東芝がスポンサーだったのではと考える。
なぜなら、同じ土曜日の昼間
東芝銀座セブン寄席というのを、
七丁目にあった東芝セブンビルのホールでやっていた。
そのメンバーがそのまま夜のわんやで
落語を演ずる法則をぴあから読み取っていた。
ちなみにそのセブンビルは銀座吉本になり、
今は立て替えられ「ZARA」などが入る
オシャレなビルとなっている。

メニューがまた面白い。
落語のタイトルがメニューになっていて、
例えば、長屋の花見おしんこ だったりする。
もちろん落語を知らない方のため?に
脇には「おしんこ」と書いてあるが、
頼んだはいいが何が出てくるかわからないのは
落語通でも書いてもらわなければ困る。
もっとも、忘れたけど
このタイトルが何でこのメニュー?というのもあった。
(無理矢理なこじつけもあったと思う)
また、店の人は多分学生のアルバイトだと思うが、
着物を着た若き女性が注文を取ったり運んだり。
それも派手目な子はいなくて素直そうな感じの
バイトばかりで雰囲気も良かった。
今で言えば萌~ッとなりそうな、メイドカフェならぬ、
女中居酒屋(何か当たり前過ぎる)。
だからか、ちょっと高めのメニューばかり。
だけど料理は本当に美味しかった。
今でも覚えているのが湯豆腐や冷奴。
豆腐がコシがきいているというか、
今まで食べたことのないしっかりした食感と
濃い味がまだ舌に残っている。
最後に確認したのは、前職に就職した頃
平成7年か8年頃、
関西出身の知人を江戸落語を知りたいというので
わんやを思い出し、久しぶりに行ったのだが
残念ながら満席で入れなかった。
そう言えば、特に土曜は落語が聞けるモンだから
いつも満席で、入る時はよく開店と同時に入った。
(なぜか当時予約するという頭がなかった)

そんな落語好きにとってはパラダイスだった
「わんや」も無くなってから久しいが、
つい先日、いつものように早朝から嫌いな
生●ヒロシのラジオを聞いていると、
これまた大嫌いな林●いっ平が出ていて、
何をしゃべっているかと思えば、
東京スカイツリー脇の複合施設
東京ソラマチに「そらまち亭」という
和食屋がオープンされ、以前あった「わんや」のような
飲み食いしながら、落語が聞けると言うではないか。
「わんや」というキーワードに過敏に反応し、
そのそらまち亭を調べる。
わんやの様な一面座敷と言うわけにはいかないが、
見えない席でもモニターで楽しめる心遣いはうれしい。
ねぎし三平堂(林家)プロデュースというのが
引っかかるが、海●名家にしては良くやった。
だけど誰が頼んだか知らないけど、
あそこに頼むのはお門違いだ。
だって兄弟そろってへたくそなんだから。
兄貴の林●こぶ平も、いま朝ドラのナレーションやっているが
なんか気持ち悪いしゃべり方で興ざめだ。
そんなところにプロデュースさせる方が間違っている。
店のコンセプトが『江戸下町情緒を感じる』とのことだが、
まずもって彼らの「根岸」は江戸ではない。
情緒を感じさせる落語や言葉を彼らから聞いたことがない。
もっともオヤジさんが落語が出来ないのだから仕方がない。
これは私が言ったことではなく、
以前落語協会で真打昇進試験制度があった頃、
確かオヤジさん(三平)の弟子が何人か受けたけど
いずれも不合格。
その理由として当時の雑誌「落語界」の記事には、
 『古典(落語)が試験課題である以上、
 三平門下には不利』
と言った内容が書いてあった。
あの門下は伝統的に落語(古典)が出来ないのである。
そんなのに江戸情緒を感じるコンセプト?
何をか言わんや。

いかん、またあの家の批判をしてしまった。
しかしながら、あの「わんや」のような場所が
帰ってくると思うと正直うれしい。
ただ、メニューを見るとスカイツリーだけあって
やはりちょっと高めだ。
長屋の花見で630円!
生ビールも609円!
それに、落語を聞くには予約しなければならない。
ふらっと入って落語を聞いてお酒をキュッと飲んで
さっと帰る。その方が粋なような気がするが、
まぁその辺は新進のスポットだけあって
しょうがない。
来週火曜日スカツリと共にオープン。
とりあえず、気持ちとしては応援し
いずれ行ってみるつもりだ。
まずい、高い、下手!と三拍子揃ったら
どうしてくれよう、ちゃっかり八兵衛!
そん時は嫁さんを解放しなさい。


*上記の人物名に旧名が使われていますが
  改名した意味が見あたらないので
  当ブログ内では旧名で通しております。

*スミマセン古典落語原理主義者なので・・・