帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

干ばつか日雇いか

この論争の話は聞いたことがあるが、
ちょっと前いつものように朝ラジオを聞いていたら
お天気の森田さんがこんな事を言っていた。
論争というのは、
宮沢賢治雨ニモ負ケズの中に
ヒデリの時は涙を流し・・・という一節がある。
確かに私もそう読んだ記憶があるが、
賢治が手帳に書かれた原文はヒドリと書かれている。
7097360_500
(右下のページに書かれている)
これは、賢治が間違えたものでテとトを間違えるクセがあり、
出版物も今やほとんどヒデリになっているが、
実はヒドリではないかというもの。
それをお天気の観点から解説していた。
そもそもヒデリ(日照り;干ばつ)は、
賢治のいる東北にはあまり縁がない。
小学校でも習う東北の凶作は
やませと呼ばれる冷害だ。
ありもしない日照りを詩にするだろうかと話していた。
気候からみるこの説はなかなか面白かった。
じゃぁヒドリとは何なのか?
日取り、つまり日雇いのことで、
日雇いの辛い生活に涙を流す・・・という意味ではないか。
ただしそれでは次に続く 
寒さの夏はおろおろ歩き・・・
との対照効果がなくなってしまう。
という日照り説。
しかしまたここで手帳を見ると、校正、推敲の後が見られる。
であれば、間違ったヒドリを見落とす訳が無かろう
だからこれは、そのままでいいんだ。
という日取り説。
以前にも聞いたことだが、ある時大論争が巻き起こったそうで、
この気象からする考えは一石を投じるかも知れない。
それはともかく、
正直、宮澤大先生に対して失礼極まりないが
よくよく読んでみるとこの詩、概ね共感するが
自分を勘定に入れない割には
訴訟に首をつっこみお節介で面倒くさい人に見えてならない。
まぁ時節が違うせいだろうけど・・・

サウイウヒトニナリタクハナイ