帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

未解決に迫る

未解決の事件と聞くと
どうしても気分が高揚してくる。
特に戦後の事件史には
激動の昭和に即した
迷宮入りの事件が多々ある。
下山事件などは全部ではないにせよ
いろいろ読んだり、
むかーしNHKでドラマ化したのを
見たりして大変興味深い。
また、最近といっては何だが
グリコ森永事件は劇場型犯罪として
あの人を喰った脅迫状がいつまたどくのか
期待していたこともある。
しかしながら、一番興味深い事件は
なんと言っても三億円事件だ。
この事件は生まれていたものの
物心つく前で記憶にない。
時効が迫る一年前くらいから
テレビでいろいろ取りざたされるようになり、
その経緯を知るにつれて引きこまれていった。
周知の通り、
脅かし、血を流すこともなく
当時としては破格の3億円をまんまと強奪。
そりゃ痛快この上ない。
いろいろなテレビでの特集、
ドラマなども繰り返し放送されてきたが
もう10年以上前にノンフィクション作家の
一橋文哉が書いた本が面白かった。
ついこの前から、
TBSで三億円事件のドラマが始まり、
あまり期待せず見たのだが
やはりといっては何だが中身はあまり面白くはない。
というより三億円事件のことがあまり出てこない。
ちょっとイライラしたので、
この本を思い出しまた読み返した。
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犯人と思しき人物に迫るところは覚えていたのだが、
ほとんど忘れていた。
読み返して、もうほとんどこれで「正解~ぃ」
といってもいいくらい。
犯人と思われる人へのインタビューも
肯定はしないものの
なかば認めているような態度をとったり。
著者との対決は全く無関係とは言えないことは
明白な肯定との印象を受ける。
この本もビートたけしの主演でドラマ化され
それを見た記憶もだんだんよみがえってきたけど
確かこの原作にだいぶ脚色していたと思う。
それはともかく、この作家の作品は綿密な取材から
核心に迫り、犯人やほぼその実態を
解明している。
初めて世に出たのは
グリコ森永事件のこの本。
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闇に消えた怪人
事件の本質に近づいた内容に
今までに何度読み返したことだろうか。
その他にもオウム事件を描いた
「オウム帝国の正体」や
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ちょっと陰湿になってくるが
赤報隊事件の「赤報隊の正体」
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宮崎勤の「宮崎勤事件 塗りつぶされたシナリオ」
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などがあり、どれも読み応えがあるモノ。
他にも新書版などで長編ではないものの
八王子スーパー強盗事件や
世田谷一家殺人事件など
表の報道だけでない部分の事実を
垣間見ることができる。
前述の下山事件もこの作家の手にかかれば
ある程度わかるのかも知れないが、
もう60年以上の前の話。
本当にわかるわけがないか。