久松町まで来た。
ここは25㎞。
時計をちらっと見たが、
正直言って頭に入らない。
もう、タイムなど気にはならない。
でも反射的に5㎞毎のポイントが来ると
時計をチェックし、見てしまう。
だが、5㎞前が何分だったか覚えてもいない。
この期に及んでは、カッコつけて
時計を見る振りをするだけだ。
沿道のギャラリーも
オフィス街とあって、ちょい閑散として来た。
逆に閑散としている中で、応援している人に
ものすごい敬意を表する。
場所は東日本橋交差点。
浅草へ向かう右斜めに折れるコースと
左行けば清洲橋通りの
あっしの母校を通る道の分岐点。
もちろん、浅草に向かう右のコースを行くのだが
分岐点で立ち止まり、脚を伸ばす。
脚を伸ばしながら、
もう自分でもどのくらい走って
どのくらい歩いているのかよく分からない。
チクショーと、思いながらも走れずに
歩いている自分がいる。
歩いたり立ち止まっている方が長く感じる。
情けない。
給水所があり、一口飲んでは
ふくらはぎにぶっかける。
焼け石に水とはこの事だ。
もう一つ水をもらい頭からかける。
それでも走る(歩く)。
浅草橋の駅を過ぎ、
ちょっと行けば蔵前だ。
蔵前を過ぎ、しばらく行けば
おぅ、次は駒形だなぁ
越えればすぐに浅草雷門だ。
浅草折り返しまでもう少しだと
自分に言い聞かせながら頑張る。
何て思ってたら、う、う、うま、
厩橋かぁ～。
その次が駒形かぁ～！
何か一区画損した気分になった。
江戸っ子がこれじゃダメダメだ。
急に周りの建物が余計に
無機質な冷たい感じがしてきた。
脚が重たい・・・
やっとこさ、駒形どぜうを左に見て
駒形橋を確認。
斜め左に入ると浅草雷門だ。
遠くから見ても雷門周辺はものすごい人。
あらためてこのマラソンのすごさが伝わってきた。
脚は相変わらずだが、
何とかこのまま行けそうな気がした。
これが応援の力なのか？
雷門に突き当たって右折。
視線の上にはスカイツリーがお出迎え。
ランナー達を上から目線で
冷やかしているようにもとれる。
もうどうでもいい、とにかく歩いてでもイイから
あと10数㎞楽しみたい。
グダグダの浅草を後にし、江戸通りに出て右折。
再び、来た道を２回目の銀座へと向かった。
（つづく）
