「月島あたりで待ってます」と言ってるが
「月島は通らないと思う」と返す。
正確には通る事は通るが、
あの魔の佃大橋上になる。
あそこで応援できるかどうか分からない。
「じゃぁ豊洲で待ってます」
「豊洲の手前でまた連絡する。
ありがとね。
そっちこそ無理しないように」と告げた。
築地にやって来て左折。
新大橋通りに入り築地本願寺。
この先で35㎞地点。
もうこうなったら時間なんてどうでもよく
あと５㎞チョイだという認識しかない。
RUNしていて５㎞の感覚というのが
なんとなくだが分かってきていた。
20㎞を走った時も15㎞で少し休憩して
あと５㎞の時点で、
『あぁ、あの距離ね、じゃぁ走っとこ』てな具合に
身に付いていた。
しかし、このマラソンでは脚がつり始めてから
もう、どうもこうも５㎞の感覚はおろか
１㎞毎にサインが出てるのだが、
１㎞が長く感じる時もあれば短く感じる時もあり、
もうどの程度の時間がかかっているのか
よく分からない。
友人からのメールで
『母校(高校)のそば通過しましたね
５㎞ラップ45分
きつさ満点かもしれないけど
あと10㎞で終わるよ～！』
とあった。
５㎞毎の通過ラップタイムも
東京マラソンのサイトで分かるんだけど
思わず声を出して苦笑い。
５㎞で45分！１㎞９分！
なんてタイムだ！情けない。
でも約4年前、走り始めた頃、
初めて５㎞（正確には4.7㎞）を走った時
確か42,3分だったような。
これは初心に返れという事か？
新大橋通りを進み、新富町交差点。
いよいよ最大の難関、佃大橋に戦いを挑む。
戦う前にちょっと準備
ここを走る時、聴く音楽を決めていた。
それは初音ミクの千本桜（笑）。
トヨタのハイブリット車
アクアのCMソングにも登用されたこの曲で
テンションを上げ、
一気に通過してやろうと思っていたが
今のこの脚に出来るかどうか分からない。
いよいよ準備が整い、坂の手前で再生ボタンを押した。
（つづく）
