帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

March’s LION

将棋は好きなのだが、あんまりうまくない。
大判解説を聞けば一応理解は出来るンだが、
状況がどうなってるかなど
パッと見た目じゃわからんし、
投了図を見ても何で詰んでいるのかわかりゃしない。
それでも、やらずとも見ているだけで
そのドラマ性は充分に伝わる。
毎年2月の終わりか3月始め頃になると
NHKのBSで
「将棋界の一番長い日」というのをやっていた。
A級順位戦の最終日をそう呼ぶ。
プロ棋士は順位がつけられて、
A級(10人)が最高位。
そこでリーグ戦を行い年間1位になると
名人位に挑戦できるというわけ。
1位が決まる瞬間もそうだが、
下位の2人は下のクラスへ降級される。
そのせめぎ合いもまた見応えがあった。
全て順位が最終日に確定し、
時には深夜にまで放送が及ぶことも。
それが一番長い日と言われる所以だろう。
その日がいつも楽しみでテレビを見ていたが
昨年からスカパー!
囲碁将棋チャンネルにそれが移行され
有料化してしまった。(チクショー!)

そんな将棋を題材にした漫画がある。
3月のライオン」という漫画。
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2年ほど前だったか、
電車の中で女性が読んでいたのが目にとまり
調べてみるとなんと将棋の話だ。
作者は羽海野チカ
それこそ読んでないが「ハチミツとクローバー」の作者だ。
中学生でプロ棋士になった高校生が主人公。
小さい頃に家族が亡くなってしまい、
父の友人であるプロ棋士に引き取られ。
将棋の才能を開花させてきたんだが、
そうした悲しい境遇に加え、
養父の家族関係もドロドロ。
結局家を出て下町(月島)で一人住まいになってから
近所の三姉妹とひょんなことから知り合いになり、
交流しているところから話は始まる。
三姉妹とのふれあいと
将棋(界)の面白い部分との融合がイイ。
将棋の漫画は昔スピリッツでやってた
月下の棋士」が面白かったけど
当たり前だが将棋がメインの話だった。
これは将棋だけの話ではない。
三姉妹や義姉そしてライバル?や
他の棋士達との関わりが
主人公を苦しめたり、勇気づけたり・・・

その時はちょっと気になって、
ネットで2、3巻読んでいたりしたけど
それっきりになっていた。
最近名人戦が行われ
久し振りに羽生さんが勝ったので
ふと、この漫画を思い出し
しっかり単行本を買って読もうと
既刊を揃えた次第。
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なにやら、手塚治虫文化賞マンガ大賞を獲っているそうで
読みごたえ充分!
タイトルの「3月の・・・」は、
元はイギリスのことわざらし
『3月はライオンのように荒々しい気候で始まり、
子羊のように穏やかな気候で終わる』
というところからの引用らしく、
順位戦の終盤である3月になると
昇級や降級のせめぎ合いで棋士達は
ライオンのようになるところから来ているようだ。
あっしが読み始めたら、
漫画、アニメ好きな下の子も読み始め、
遂には配偶者さんも読み始めた。
将棋がわからなくても楽しめるんだけど、
「お前ら、これ(将棋の件り)分かるんか?」と問えば、
「その辺はとばしてる」
って、楽しさ半減じゃないか!
よく読めるな・・・
それでも、確かに面白い漫画だと思う。
将棋指しはこんな奴らが居るんか?
と思う人もいるかもしれないけど、
そこはフィクションだと思うし、
当たらずとも遠からずのキャラもいると思う。
将棋というゲームの奥深さもわかるし、
人間模様も充分に堪能できる。
下の子には女の子だけど、ちっとは将棋でも覚えて
落ち着いてもらおうかと思い、
「将棋教えてやろうか?」
「別にイイ」
「漫画読んでも分からんところあるだろう?」
「面倒くさ!」

ダメだこりゃ。