ゆりかもめの高架下へ出て
ついには有明駅までやって来た。
あと残り1㎞しかない。
本当に最後だと思うと切なくなる。
最悪の時間だったかも知れないが
至高の時間でもあった。
最後はその辺にいるであろう家族に連絡。
最後の走りを見ていただこう。
上の子に借りた携帯で電話をすると、
そなえりあ(防災センター)にいると言う。
なんだ、すぐそこだ。
「もう着くから入口に出てきて」と言い
先にそなえりあの入口正面のコース上で待つ。
しかし来ない、いくら待っても来ない。
5分は待っていたか。
まぁタイムなどは気にしないが、
しかし待たせすぎだろう。
仕方ないので電話。
「どこにいる?そなえりあの前にいるんだけど」
「こっちも前にいる、マックの前にいる」
はぁ?マック?そなえりあという防災施設に
マックなどあろうハズがない!
マックと聞いてピンと来た、
ビッグサイトの前の商業施設だ。
大体あそこからはコースは見えないだろう。
ウチの配偶者は何を考えてるんだか・・・
半分キレる形で電話を切る。
待ち合わせゾーンで待つように指示。
メールを見ると今度は姉達が
最後のコーナー前で待っているという。
やはり血を分けた姉弟は違う!?
最後から2番目のコーナー
ビッグサイトが目の前にある。
またついに来てしまった。
勝者とも敗者ともつかない形でここまで来た。
まぁ勝ち負けで言えば惨敗。
しかし、もの凄い楽しい時間を過ごさせてくれた。
朝の都庁をふと思い返すが、ホンにここまで長かった。
昨年も感じた事だが、荷物チェックを受けたのは
数年前の出来事のように感じる。
2番目に長い日と言ったけど、
昨年も今年もどちらもいちばん長い日だ。
最後まで声援を送るギャラリー達の最後の最後。
コーナーの一番端っこに姉たちはいた。
東京マラソンロード上の一番最後の応援者になっていた。
急にテンションが上がり
「来たぞー有明~ッ!」と叫ぶ。
「ビッグサイトでお会いしましょう!」と言って
ゴールへと向かった。
最後のコーナーを曲がるとそこは42㎞ゲート
あと残り195m。
ラストの直線、もう何の感慨もなくひたすら真っ直ぐ。
あっしの目の前には奇跡のようなフィニッシュゲート。
最初に脚がトラぶった20㎞あたり、
ほぼ歩いた浅草までの往復の事を考えると、
まさにこのゲートは奇跡でしかない。
FINISHED!
お疲れ様でした~!
もうすでに、カメラのバッテリーもほぼなくり、
人も機械もやり尽くした感いっぱい。
しかし、最後のエネルギーを振り絞ってもらい
昨年もボラさんに撮ってもらった完走写真をパチリ。
憧れのフィニッシャーズタオル。
撮ってもらったボラさん(おばちゃん)に聞いた
「ボランティアは何で応募したの?」
「(真顔で)外れたから・・・」
「すいませんね~、当たってしまったのにこんなタイムで」
と言ってお互い笑った。
あっしも来年はボラやるか。
荷物を受け取るところにボラさんがお出迎え。
「完走おめでとうございま~す」というので、
昨年もやったけど、両手を挙げて拍手と爆笑を受ける。
こっちらから思わず万歳三唱。
みんな揃ってやってくれたwww
ホンにありがとうございます。
荷物を受け取り野戦病院化しているビッグサイトの
着替えるエリアで汗まみれのシャツを代え、家族に電話。
今、ビッグサイトに入ったそうだが
もの凄い検問でだいぶ待たされたそうだ。
なんだ、新宿だけでなくビッグサイトでもチェックがあるのか・・・
姉たちとも連絡を取り、
待ち合わせゾーンでみんなと再会。
本当にありがとうございました。
最初に発したあっしの言葉は
「もう、マラソンは走らない」
しかし、応援のツボにはまったのか
「え~、もう出ないの~?」とまた来たそうだった。
走らないと言ったものの、
やはり東京マラソンの魅力も捨てがたい。
そうだな、真央ちゃんみたいに「ハーフ&ハーフ」って感じ。
(ピザか?キリンシティか?)
でも、2回走ってみて
あっしの身体は半分の
20㎞くらいまでしか保たないという事が
よ~くわかった。
そう言う意味でもこのハーフの言葉は深い。
ビッグサイトを出ようとすると
西からの薄い陽光が差し、
長い一日が終わろうとしていた。
(このシリーズ終わり)