帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

叔父さん in 樹木葬

昨年叔父さんが急逝した。
しかし、驚いた事に知らせが来たのは
何と葬式も終わった後だった。
葬式と言ってもウチの親はもちろん
親戚縁者にも知らせず、
ホンに家族だけで密葬したとの事だった。
故人の遺志だったらしい。
正確な年齢は分からんが
確か60歳を過ぎて数年だったと思う。まだ若い。
リタイアしてこれから自分の時間という時に・・・

ウチの母方の8人兄弟の末っ子で
唯一大学まで行った。(国立大学!)
山形から出てきて千葉で中学校の教員をし、
若くして教頭、校長にまでなった。
ほとんど会ってないけど、いとこは確か東大出。
さすがのDNA!
薄くってもこっちも血のつながりはあるんだが・・・
晩年と言っていいのか
10数年前、まだ校長先生をやっていた時。
あっしの前職の仕事で、千葉方面へ出掛け、
帰りに叔父さんの中学校へ寄ってみたことがあった。
京成のユーカリが丘駅からユーカリが丘線という
おもちゃみたいな電車に乗って行くのだが、
実は叔父さんに会いに行くと言うよりは
その電車に乗るのがその最大の目的だった。
しかし、信じられなかったが、
その路線がその日点検のため、たまたま運休。
遊園地じゃないんだから・・・
仕方がないのでバスで行く事に。
(そう言えば、ユーカリ線にはまだ乗ってない)

居るかどうか分からなかったけど、受付で
「スミマセン。**校長先生いますか?
親戚のいけちん(もちろん本名を言う)です」
と言って取り次いでもらうと。
「・・・あのう、校長は『どちら様?』と申しておりますが・・・」
「え~っ!、甥っ子です!
 神田のハンコ屋の息子です! と伝えて下さい!」
得体の知れない営業マンに間違われてはならんと
必死になって叔父さんとあっししか知り得ない情報を
いくつか並べ立て、ようやく通してくれた。
いやぁごめんごめんと叔父さん。
しかし、忙しいのによく通してくれて20~30分話したろうか、
最後はわざわざユーカリが丘の駅まで車で送ってくれた。
別れ際には今度飲みに行こうと言ってくれたけど
結局叶う事はなかった。
それから、異動になり最後の中学校だったか
そこでちょっと手伝って欲しいと、2~3回ほど
そこの生徒相手に講義をした事がある。
それが最後だったかな。
少ない思い出しかないが、親戚とは少ない思い出でも
しっかりと覚えているもんだ。
多分叔父さんが生きていたら
このくらいのエピソードはきっと覚えていて
笑いながら話してくれたと思う。

昨年の訃報を受けた時、
あっしら姉弟から供花を贈ったところ、
返礼がやって来て、
そのお礼に手紙を書いたら
また奥さんから返信が来た。
その中にこの4月の一周忌に
前から契約していた千葉のいすみ市にある
樹木葬に納骨するとあった。
あっしはこの連休に勝浦に遊びに行くこともあって、
帰りに寄る事にした。
行く前には奥さんへ電話をし、納骨されたかどうかを確認。
聞くに叔父さんはちゃんと彼の地にいるらしい。
道が狭いから気をつけてと言われ、
カーナビも古いと連れてってくれないとのこと。
どんだけすごい所で契約したんだ。
JR大原駅から車で15分の辺境の地。
行くと確かにものすごい狭く未舗装の道に加え
傾斜のある危険な道を行った先にある。
ちょっと怖い思いをしながらようやく着いた。
里山を切り開いた樹木葬の施設。
手前には運営者のお寺さんがある。
叔父さんの樹木葬の場所が分かりにくいとのことで
行く前にお寺に電話をした方がイイと言われたが
タイミングを逃し、直接来てしまった。
寺の勝手口で声を掛けるも誰も出てこない。
本堂にまわると法事か葬儀かやっている。
こりゃまずい時に来たもんだ。
仕方がないので家族一同で手分けをして探す。
場所には名前の木札があるらしい。
探していると結構、樹木葬を利用している人も多い。
施設手前の方はもう完売(っていうのか?)。
故人の樹の周りにお花を植えたりして
手入れしている人も何組かいた。

ようやく子が見つけてくれて叔父さんに会う事が出来た。
BlogPaint

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いや~、気持ちいいくらいに何にもない。静かだ。
丁度後ろのつつじが見頃で今は派手さはあるが
それがなくなると本当に寂しいところだ。
葬儀もしない、墓も建てない。
そう言う意味では、
そうした叔父さんらしい気持ちが表れている地なのであろう。
奥さんから聞いたけど樹木葬のお参りは、
線香はNGで仏花(切り花)も備えられない。
供物も狸やイノシシが出るので置いては帰れない。
要はホンに手を合わすだけ。手ぶらで行く。
変な気を使わせないところにも
そうした遺志が反映されているのか。
こんなへんぴな地に契約したという事は、
恐らく、こうして来ても欲しくなかったんでは・・・?

大丈夫、こっちもついでだから。
ついでにまた来ます。