帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

水戸へ絵を見に行く

珍しく美術分野の話。
先月だったか、たまたまホンに偶然に
日曜日の朝、Eテレでやってる
日曜美術館」をちらっと見たら
山口晃という画家のドキュメントをやっていた。
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それが、もの凄く面白かった。
人物的にも芸術家という偏屈さはあまり見せず、
屈託のない庶民的な人みたいで、好感が持てる。
作風も何とも独特の世界観たっぷりの画風。
なにせ、はっきりとバイクのエンジンの先に
馬の首がある乗り物にまたがる武士。
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(TVで紹介したのは別の作品。
しかしこのバイクいろんな作品に登場する)
時代のカオス感いっぱいの作風だ。
屏風絵のような俯瞰図がこれまた面白く、
東京や日本橋三越の図がかっこいい。
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日本橋三越の図/たぶん数年前のリニューアル時の作品)
面白いのは、ちょっと分かりにくいかも知れないが
昔の日本橋が首都高を跨いでいる。

この2月から水戸の芸術館で展覧会をやっていて
それに向けた「ショッピングモール」というタイトルの
やはり俯瞰画の作品を描く作業を
ドキュメントで紹介していたが、
信じられない事に、完成前にアトリエから
水戸へ運んばれてしまったらしい。
本人も苦笑いしていたが、
何と展覧会が始まっても
そのまま展示場所で描き続けていた。
それがどうも気になっていたせいもあり、
この連休に行こうと思っていたが叶わず、
ようやくこの前の土曜休みに水戸まで出掛ける。

水戸までと言ってももちろん常磐線の各駅で、
久し振りに乗り鉄の気分を味わうも、
何と家にタブレットを忘れて来てしまって
手持ちぶたさ・・・約2時間の行程。
まぁその辺は車窓を楽しむことしかないが、
これがあまり面白くない。
東北線で白河まで各駅で行った事があるけど
あれもあまり面白くなかった。
なんて言っても関東平野を突き進むワケだから
山がない。山がないからトンネルもない。
景色が田んぼと畑のオンパレードですぐに見飽きてしまう。
その点、東海道や中央線は山間を抜けるし、
前者は海まで見える。乗ってても楽しい。

それはともかく、お昼を過ぎた1時過ぎに到着。
お腹が空いたのでラーメンでも食べようと
駅からの道すがら、あるだろうラーメン屋を探すも
どういう訳か目抜き通りに飲食店はあまりない。
と言うより、ほとんどの店が閉まっている。
いくら土曜日でも茨城県の中心地
水戸で歩いている人もまばら、車の量も少ない。
例えば宇都宮でもJRの駅前よりは
東武宇都宮駅周辺の方が繁華街であったりする。
そのパターンか?と思うが、
どうやらそうでもないらしい。
郊外にイオンのバカでかいショッピングモールがあるが
そこに取られてしまったのか・・・?
お腹を空かせたまま水戸芸術館へ。
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仕方がないのでこのまま入館。
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入口で「TVで見たんですが、
未完成の作品は完成したんですか?」
と、たずねるも。
係員は困ったような顔をして
「いや、まだです。入ってすぐの所にあります」
そうか、まだ終わってないんだ。
見ると、TVで見てからあまり進んでないようだった。
それはそれで、イイ。
まぁ完成されようが素人にはあまり分からない。
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(電柱の作品)
いろいろ電柱にも形や種類があるらしく、
今はない形を再現したようだ。
この部屋だけは写真可。それも珍しい。

しかし、本当に来て良かった。面白かった。
山水画のように墨も多用したり、
日本画風に描いたり、
「無残之介」という劇画タッチに描いた
絵巻き風の物語というかもあり楽しかった。
理解できにくい作品もあるが、
その作風はそれを凌駕するくらいに説得力がある。
絵ももちろん上手なのだが、それにも増して字も上手い。
墨と筆で描いている絵とそれを解説したりしている
文章の字が見事だ。
普段からあっしは「文字は人なり、文は人なり」を自認している。
(自認していてこのブログは恥ずかしい限りだが・・・)
書道家のような筆さばきのようだ。
あっしも筆を使う時があるがかくありたいと思った。

館を出ると、水戸のシンボルと言えるタワーがそこにある。
よく、茨城の天気や強めの地震があるとNHKで、
水戸市内の様子としてこのタワーが映る。
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なんとこのタワー単なるオブジェかと思っていたら
しっかり、エレベーターで登れる。
しかも200円も取りやがる。
展望できる窓があるのか分からんが、
登る気にならんタワーも珍しい。

とにかく腹が減って仕方がない。
駅前に戻り何かあるだろうと思ったら、
さすが水戸だけに納豆セットという
何だか不思議そうな看板があり、驚く事に1,500円。
納豆で1,500円?
よっぽどセットの他のメニューがイイやつだろう。
納豆はサイドメニューにしかならない。
それは遠慮しながら、ちょっと路地に入れば
長崎チャンポンの文字が。
そこに入り、野菜たっぷりのチャンポンをいただく。
メニューにはラーメンもあったが、
チャンポンがメニューの一番上にあり、
きっとご自慢なんだろう。
店の名前も「長崎亭」。
江戸の仇を長崎で討つということわざがあるが、
水戸の空腹を長崎で満たす・・・

帰りもたっぷり2時間かけて各駅で帰る。
確か常磐線は、取手の手前で電圧?が変わるんで
一時、車内が停電になるハズなんだけど、
行きも帰りもそんな現象は起きなかった。
昔の銀座線や丸の内線のような感覚を
思い起こせる瞬間だったけど、
車両が良くなっているのかちょっと寂しい・・・