帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

落語3題・3(LAST) 落語心中

いまや落語ブームらしい。
そんな感じはしないけど、
確かに数年前に新宿の末廣亭
深夜寄席に行った時もほぼ満席。
これまた数年前、池袋演芸場
平日の昼席に行った時も満席とは言わないが
結構な入りだった。
しかも若い女性まで一人で来ていたのを
見た時はそりゃ驚いた。
しかし、しかし、しかしだ・・・

今の落語界はさておき、まずは本題。
2、3年前だったか、本屋のマンガをふらっと見ている時に
昭和元禄落語心中」というマンガが目に入った。
こりゃ何だ?と手にとって、
普通マンガはビニールの腹巻みたいのに覆われ
立ち読みできないんだが、
それは巻いてなくてしっかり読めてしまった。
落語だからあんまり立ち読みする奴はいないと踏んでの扱いか?
と、ちょっと自虐的になった。
そのマンガがこの1月からアニメになって
放映されている。
無題


内容は、刑務所の慰問落語会で
当代の名人、有楽亭八雲(ゆうらくてい やくも)の
落語(死神)に感動した主人公のチンピラが出所後、
八雲に弟子入りするところから始まる。
タイトルの落語心中とは、
名人八雲は今まで弟子を取らず、
その芸と心中するつもりから来ている。
そこまでは、マンガで立ち読みして知っていたのだが、
まさかアニメ化されるとは・・・
ウチの下の子のヲタ子が初回から録画予約をし、
教えてくれた。
おっ、落語に興味あるんか?と思ったら
とりあえず、面白そうなアニメは全録するらしい。
でも、初回を見た時わざわざラインで「面白い!」と
知らせてきた。
もちろん、落語のシーンもあるわけで
声優さんが頑張って落語を演じている。
主人公のムショ帰りのチンピラをやるのは関智一
あっしの好きな(笑)妖怪ウォッチ
ウイスパーの声をやってる。
ui1

ウイスパー自体、色々な声を出し
声優としてどんだけのレベルか知らないが
七色の声とあっしは評価している。
調べると、この人立川流志ら乃という噺家
弟子入りしている。
また、小林ゆうという女性声優も出ているが
この人もロックなどもやってるみたいだが、
落語にも傾倒して、女子萌えらくご(?)なる
落語もCDやライブで披露している。
それに、元祖七色の声
山寺宏一ことやまちゃんも出演して、
やまちゃんも昔、学生の頃落研にいたらしい。
そんなこんなで、落語に縁のある方々を迎えてのアニメ。
あっしも「どんなもんだろう?」と早速帰ってから見た。
声優の鍛えられた声で落語を演じると
さすがのあっしも敵わない(笑)。
江戸弁の落語語りではないが、
演劇的な要素としてはかなりのレベルに聞こえた。
また終始BGMとしてはジャズが流れ、
カッコ良さがさらに増幅されている。
落語とジャズってなんか合ってるような気がする。

物語は、八雲とライバルですでに他界した
兄弟子(助六)との因縁に話は進んでいくのだが
どうも、型にはめる八雲と洒脱な助六の関係みたいで、
現実には、志ん生文楽。小さんに圓生
談志vs志ん朝の構図をモデルにしているのだろうか?
まぁさっき3話目を見るに色恋もあるようで
そのまま芸の型ってわけじゃなさそう。
しかし、作者の雲田はるこって
落語をどこまで理解しているのだろう?
「死神」「出来心」「鰍沢」「あくび指南」など
これまでに登場。なかなかのもんだけど、
調べるとこの漫画家さん
BL(ボーイズラブ)ものを中心に描いている。
え~まさか、落語でそれか~?
まぁ展開からしてそれはなさそうだが・・・
耽美な世界もとどまりをしらない。

落語3題として最近身近に落語が取り巻き、
久し振りに寄席に行ってみたくなったんだが、
以前から、寄席に行くのは正直抵抗がある。
なぜって、見たい落語家がいないから。
志ん朝がトリだったら迷わずに行くんだけど
もういないしなぁ。
上野鈴本や浅草演芸ホールの前はよく通るが、
ここんところ見向きもしなくなった。
見たい落語家って言うよりも、
今の落語家はとにかく下手だ。
まだあっしが演った方が上手い(笑)。
ただ、こんだけ世間に落語があふれている状況を見るに
なんか不思議な感覚に陥ってしまう。
こんな落語聞いていてみんな大丈夫か?と。
あっしは何度も言うが、古典原理主義者。
ISのように、下手な落語家にはテロの制裁を
下してしまうかも知れない(もちろん冗談です)。
だから、寄席に行くのは抵抗がある。
メディアもこぶ平正蔵というらしい)を名人扱いし。
弟のいっ平(三平というらしい)を
さすが爆笑王の息子と持ち上げる。
ワケが分からない。

あっしからすれば、
昭和30~40年代の落語黄金期
志ん生文楽三木助、金馬
を聞いて育ってきた。
もちろん、あっしも時代が違うから
生でリアルタイムで聞いてないけど
そう言う意味で言えば、
今の若手の落語家や客も同じだろう。
聞いた事ないんかな?
そーゆー原理主義、わからんかな?

まぁ、落語を知ってるだけで人生一つは得してます。
世の中にエセでもいいから
落語が浸透すればいいかもしれない。
(ちょっと、なげやりで締めるとする)
あっしも、あの黄金期と心中しましょう。

(この項終わり)