帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

ミステリー3題 下(ミステリーはリアリティ)

ミステリーの3冊目は
「向日葵の咲かない夏」。
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最初に書いたとおり、
ミステリーを読みたいと思いついて
ネットで面白そうなミステリーを検索したら
コレも引っかかったんだが、
もちろん、シチュエーションというか
ある程度の筋は解説してあり、
面白そうなものを読んでいったわけだが
ちょっと読み進めるウチになんだコレは?
という展開。

小学4年生の男の子が主人公で、
夏休みに入る終業式に同級生が死ぬ
いや、首をつって死んでいたのを目撃。
しかし、死体は消えて無くなっていた。
その後、同級生はあるものに姿を変えて
主人公の前に現れ、「殺された」と訴え、
自分の死体を探してくれないかと頼み、
主人公の妹と3人で事件を追い始める。
文庫本の裏に書かれた解説文の抜粋だから
これくらい書いてもネタバレにならないと思うが、
あっしは、あまりに突拍子もないシチュエーションは
ミステリーに向かないと思ってる。

宮BみゆKの作品は最近はそうでもないらしいが、
だいぶ前に読んだことあるけど、
どんな謎があるのか? トリックは?と
ワクワクしながら読み進めていったら、
何の事はない「超能力でした」
とワケの分からないオチがあって興醒め。
本の代金と読書の時間を返してくれと言いたかった。
密室で人が殺されたとか、
大金を奪う巧妙な手口とかアリバイとか、
実際にやったとしても不可能かも知れないが
トリックや謎の中にリアリティがないと
ミステリーは成立しないと考える。
何でも有りの超常現象のせいにするのも構わないが
あっしは読みたくない。

その逆、高村薫の以前のミステリー作品は
マークスの山」、「レディ・ジョーカー」など
事件を追う警察内部の捜査方法や
町工場の旋盤の使い方など
その精力的な取材から来る描写と真実味は
くどいとイヤの人もいるとは思うが
あっしはリアリティを感じて面白い。

そんなあっしが選んでしまったこの作品、
正直読み進めるのが辛かった。
最後まで読んで、まぁ合点がいくというか
「おすすめのミステリー」で
検索されるだけの事はある作品。
一応に納得はできたが、
「まあ死者が姿を変えて現れる」という文庫の裏に
書いてある時点で回避すれば良かった。
自分を殺した人を追うというシチュエーションは
それはそれで面白いと思い、
超常現象はこれだけだと勝手に解釈してしまった。
しかし、次から次へとそれ(超常現象)が出てきてしまい、
もう中盤を過ぎる頃にはお腹が一杯に、、、
それに、超常現象が出てくるのも
前回の叙述トリック的な表現で来るもんだから
欺された感というか、「コレもそーなのかよ!」と
ちょっと腹も立ててしまいたいくらい。

読まなきゃ良かったとは思わないが、
ゴメンナサイというリアルな感情でオチをつけるしかない。
超常現象にはリアルで対抗。


(3題終わったけどまだつづく)