神田から日本橋三越まで歩く。
生地神田だが、チョット来ない間に
だいぶ様子が変わっている。
日本橋に向かう中間あたりの大きい交差点にあった
角のビルが無くなっている。
でかいジョニーウォーカーの看板があったビルだ。
立派なビルだったけど、お構いなしに再開発してしまうんだな。
さて、三越に到着。
この佇まいは当時と変わらない。
そもそも失踪当日、洗足池近くの自宅を出た下山車は
迷走の果てにここ三越まで来ている。
中原街道を走っていよいよ国鉄本社近くになると
「買い物があるから三越へ行ってくれ」と運転手に言う。
まだ開店前で空いてないことがわかると
白木屋（現コレド日本橋）でもいいとか、
銀行に寄ってくれと銀行に立ち寄ったり
神田駅に行ってくれと言いながら降りなかったり
この周辺をグルグル。
国鉄本社前を通る時には、誰かに見られたくなかったのか
「もっと速く走れ」と運転手を叱責してる。
チョット不可解な行動をみせながら、９時３０分頃。
運転手に「５分くらいだから待っててくれ」と言い残し
そのまま行方不明に。
ライオン像がある正面玄関から総裁が入ったわけではなく、
南側の今は車寄せになっている入口から入った。
それから、本社では総裁が来ないと大騒ぎになる。
そして夕刻になって公表に踏み切り、
そのニュースを待っていた車内で聞いた運転手が
驚いて届け出て、事件が発覚した。
元来、下山は５分くらいと言いながら
２～３時間待たせることはよくあったらしく、
逆に待っていないと不機嫌になるので
おとなしくズーッと主を待っていたとのこと。
下山事件を知る上で避けて通れないのが
亜細亜産業。以前にも紹介したが、
三越のはす向かいにあったライカビルの中にあった。
角の右隣にある５階建てのモダンなビル
業務内容はパルプ産業で、貿易もやっていたらしい。
設立者の多くは元軍属の特務機関の連中で、
GHQのキヤノン機関（秘密諜報機関）とも
つながりがあったと言うから、きな臭さが漂ってくる。
っていうか、これしかないんじゃ、、、
なぜ三越かといえば、今でもそうだが
地下ではす向かいのビルまでつながっている。
人目に付かずにあっちまで行かれる。
白木屋（日本橋）も地下鉄で一駅。
誰かと待ち合わせでライカビルに連れて行かれたか？
現在のライカビル跡
コレド室町になっている。
（つづく）
