帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

格差

タケローさんのラジオネタをもう一つ。
日本人の心根を考えさせらた翌日。
日替わりのコラムには東大名誉教授の
月尾先生がお話しする。
これがいつも造詣深い話なのだが、
この日はホンに興味深い話をした。

SDGs(エスディージーズ)の紹介。
2015年に国連で採択された
2030年までに達成すべき17の目標だそうだ。
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ピコが以前PRしていたのを覚えている方もいるのでは、、、

さすがに時間の都合で17も紹介できなかったが、
貧困、飢餓、福祉、安全な水、不平等、環境資源・・・等々
問題となっている様々な懸案の解決を目指すもの。
現状を月尾先生から詳細な説明があったが
これが考えさせられる。

1.飢餓
体重を維持するためのカロリー摂取が足りない人が
世界中に8億1,500万人いるらしい。
ようするに飢餓状態が9人に1人。1割以上いる。
加えて一日に4万人が餓死しているという。
もっとも、2010年に10億2千万いたのが、
2015年には7億9,500万人と一時減ったにもかかわらず、
また増え始めているとのこと。

2.安全な水
安全で清潔な水が飲めない人は、世界で7億6,800万人いる。
汚れた川の水やヒ素入った井戸を水を仕方なく
飲み水にし、そのせいで、子供が年間200万人死んでいるらしい。

3.貧困
一日200円以下の収入の人が7億人以上いる。
昔の日本で呼ばれたニコヨンよりも低い。
そのせいで、学校に通えない子供が5,800万人
文盲(って今言っていいのか?)が7億8,000万人。

これらの原因は様々で、
いろんな問題があるが、共通の原因は格差であると。
続けて先生が説明する。

食糧の世界中の穀物生産は、
1950年から2015年までに実に4倍の収穫量があり、
その期間人口は2.7倍しか増えていない。
魚の漁獲量にいたっては8.7倍獲れている。
上手く配分できれば、飢餓など起こるはずもないはず。
にもかかわらず、いや、収穫、漁獲が増えているのだから
ある意味当然な気もするが、肥満が11億人いる。
特に米国では、廃棄する食糧は130億円。
食べ過ぎた~と言って、
痩せるためにジムなどに通う費用が120億円。
それでも効果がなく(笑)、
肥満のせいで病院などにかかる費用がナント260億円。
これは、年間ではなく1日の金額だそうだ。

貧困にいたっては、こんな統計を紹介していた。
世界の金持ちはビルゲイツやアマゾンの社長。
長者番付の8位までの方々の総資産額は43兆円。
あまり天文学的すぎてピンと来ないが、
逆に貧困の底辺の人々の資産を下からずっと足していくと
8位(8人)までの43兆円と同じになるためには、
実に36億人を数える。
実に人口の半分の資産と同じ分、
神セブンならぬ神エイトが保有している。
ブルゾンよ、男が35億いると言ってる場合じゃない。
貧困者はそれを超えている。
同じように、こんなデータもある。
世界の上位1%の約7,000万人の資産の合計は
残り99%の人口の資産に等しい。
国際格差社会の現実だ。
まぁこれが資本主義なのだろう。
そうした不平等を解消していこうというのがSDGs。
だけど、あと13年で解決できるのか?

しかし、企業がこうした問題の解決に取り組みを
することによって、企業評価をするEGS投資というのが
今、叫ばれているらしい。
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ROEとかROAとか今までは当然の事ながら
利益率などがその指標となってきたのだが、
それに加えて環境保全など社会持続の貢献度も
その評価基準となってきて。
欧州ではそのEGS基準で投資をしている割合が60%。
カナダでは31%、米国でも18%ある。
我が日本はと言えばナント0.8%という(笑)。

1%に満たないという事を嘆いていたが
先生は最後に『情けは人の為ならず』と言って
目先の利益ばかりにとらわれず、
環境や社会問題など、
回り回って自分に返ってくることを考えて
投資も考えて欲しいと。締めていた。

ちょっと深く考えされるお話。