帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

陸橋の下の空き缶の中

このほど、三億円事件が発生から50年を迎えた。
小説家になろうというサイトでネットを騒がせていた
「実行したのは私です」とかいう本が犯行の日
12月10日に発売された。
20年くらい前に、女性が書いた似たような本があって、
読んでみたことがある。
それはそれは、陳腐で同じ事の繰り返しの文章。
この手の類はまぁ眉唾だ。
犯人しか知り得ない話として、
ジュラケースの中に警察手帳を忍ばせた件があるが
それも、あっしもどこかの文献で読んだ覚えがある。
だから、どうなんだろう。読んでないのでわからんが
まぁ大したことじゃないと思っている。
そのお陰なのか、あっしの当ブログだが
3年前の夏にレポートしたシリーズ、
 
 3億円事件を追う1

ブログの管理ページがあるのだが、
先週から少ないもののこのシリーズがよく見られている。
3億円事件で検索しても
よっぽど下位にならないとヒットしないと思うが
よく見つけてくれた。
クソ暑い中府中を歩き回ったが、
今はタクシーで事件現場を巡る企画もあるらしいが、
犯行の下見をするつもりで歩かなきゃダメだよ(笑)。
単独犯か複数かの論拠も歩かないと分からんしね。

最近、世の中を見るに
こうした3億円事件のようなのは、もう起きないと思う。
やはり、防犯カメラの影響が大。
先のハロウインのバカ騒ぎで軽トラを倒したバカがいたけど、
犯人の1人は遠く山梨の人間で、そこまでカメラをたどったらしい。
もの凄いことになっている。
3億円だけでなく、グリコ森永事件だって今じゃできない。
狐目の男通称「F」や
極悪球団の帽子を被って毒入り菓子を置いた奴も
とっくに防犯カメラのお陰で捕まっているはず。
もっとも、警察無線も当時アナログで傍受し放題だったそうだが
この事件をきっかけにデジタルになり傍受しにくいように変わったそうだ。
犯人のお陰だ。
犯罪を推奨するわけではないが、
ああした劇場型の犯罪はもう無理だろう。
ちょっと一抹の不思議な寂しさも感じる。

そのグリコ森永事件をモチーフにした小説、
「罪の声」をちょっと前だが読んだ。
image

実は本自体は1年前に買ったのだが
いろいろあって読めずにほっといた。
あるところで、本が出てきて読まなきゃとなったが、
これは、覚えている方も多いと思うが、
事件中で現金強奪の手順を電話で説明する
子供の声があった。

あっしは学生だったけどそれはそれは衝撃を受けた。

守口市民会館の京阪通り2丁目の
陸橋の階段の下の空き缶の中』

「の」が多すぎてATOKから怒られそうだが、
こんなやり方があるんかと感心したモンだ。
確か実際には陸橋の下に行ったが、
空き缶は無かったとのこと。

その声の主が当時のことは覚えていなく、
この自分の声であるテープを発見したところから話は始まる。
なかなかの作品だった。
やはりグリコ森永事件を題材にした
高村薫の「レディジョーカー」には及ばなかったが、
犯罪小説というのは得てして悲劇的に終わるモンだが
ちょっとホッとさせられる部分があってよかった。

浜の真砂は尽きるとも
世に盗人の種は尽きまじ

やりにくくなった犯罪も、
時代に合わせて繰り広げられることだろう。
次の劇場型を期待したい(笑)。