帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

実は… 8 ~生まれて初めて!~

走り始めていくつか分かった事がある。
まず、ストレッチが大切な事。
はじめの頃、いきなり外へ出ると
走り始めた。やはり体にとって無理がある。
股関節や各所の筋肉が悲鳴を上げる。
ただストレッチはするものの簡単に済ませている。
終わったあともクールダウンのストレッチは
必要なのだが、いつも家に入りすぐに
シャワーを浴びてしまう。
すると、ひどくはないものの
筋肉痛が残ってしまう。

次に季節感だ。
夏前には新緑の緑が鮮やかな中
心地よい風が通る中、緑の下を走っていた。
夏の暑い頃はあまり気づかなかったが
角を曲がると植え込みから急に強烈な香りが、
見ればキンモクセイ。もう秋だなぁと感じる。
そして今は緑鮮やかな葉っぱが
黄色く色づきながら道に落ち
目を楽しませてくれたその葉を
踏みしめながら走っている。
そんな事を感じられるのも走っているからだろう。

そして、汗。
走り始めは汗はそれ程かかないが、
汗をかき始めると当然なんだろうけど
苦しくなる。
よくマラソン、駅伝の中継で
「○○選手 汗が見えます」
などと実況するに、その選手はブレーキに。
なるほどそう言う事かと身をもって体感できた。
不思議と汗をかいたから水分を補給すれば
余計に苦しくなってしまうのだ。
私だけかも知れないが、
補給しないと脱水になってしまうので
そりゃ飲みます。
苦しくとも飲まないわけにはいかない。

そして何となくだが、
走る楽しさが徐々にでも感じてきている。
昔は走る人をバカにした事もあった。
走るのであればプールやジムなどに通った方が
カッコいいと思い、実際にそうしてきたが、
自分から出かけるとなるとなかなかどうして続かない。
外に出ればすぐに出来るこの運動は
これ以上やりやすく手軽なモノはない。

10年ほど前だったか、休みの前の日
夜更かししてテレビだが映画のビデオだかを見ていて
もう明け方になっていた。確か時間は5時前。
季節はいま時分だったからまだ暗い。
無性に腹の減った私は冷蔵庫を覗くが
めぼしいモノはなし。
すると急にラーメンが食べたくなり、
さて今時分でもやっている店は?と思案する。
いろいろ考えても上野駅のアトレに入っている
一蘭」しか思いつかず、車を走らせありついた。
食べ終わって満足して帰途につくが、
上野公園を突っ切ればウチは近い。
迷うことなく坂を上り寛永寺横の赤信号で止まり
青を待っていると。
まだ薄暗い公園からランニングする人が
一人二人と私の車の前を横切る。
その時はさすがに自分の行動を恥じた。
何せ夜更かしした上に、腹が減ったと車を出して
ラーメンを食べる人間と、早く起きて
自分の健康を考えてランニングする人間が
交錯した瞬間を垣間見たのだから。
まさに人間交差点だった。
自分も人に見せるべく走っているわけではないが
その時の何か忘れ物というか罪滅ぼしというか、
別に悪い事をしたわけではないけれど、
恥ずかしい気持ちを覚えたことを
取り返しているのかも知れない。

先週の事、本社にいる私は
久しぶりに営業所へ行く仕事があった。
そこで数ヶ月ぶりにあった新入社員に
「どうしたんですか?痩せました?」
と言われてしまった。
マンモスうれP!(クスリで痩せたわけではない)
恐らく生まれて初めて言われたと思う。
今まで「また太ったんじゃない?」
「まだ成長するの?」
しか言われた事が無かった。
ここへ来てようやくだが、
少しづつでも成果があがってきているのだろう。
しかし目方は以前にも書いた通り変化はあまり無いが、
これ以上の励みはない。
これからも続けて走る事にする。

〈このシリーズおわり〉