帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

今更ながら3.11~2

事務所に戻ってくると、
「いけちんさん大変だ、粉々になっちゃった」
みると前出の背の高い陶器が床に落ちて粉々に。
見た瞬間。「あ~良かった」とつぶやく
なぜなら入社以来これはきっと私が何かを引っかけて
壊すに違いない。と思っていたからだ。
現に、大きい箱の荷物を運ぶ際にちょっと触れて
ぐらついたことも一度や二度ではない。
正直言って地震で壊れてくれて助かった。
次に陶器の破片を片づけていると、
「各所に連絡取らなくていいんですか?」
と私に聞いてくる社員。
この状態で電話はつながらないと確信していた私は
「そうですね」と言うだけ言って何もせず。
確かに誰かが方々に電話していたが全くつながらず。
横浜の事業所から奇跡的に1本つながった程度だった。

時間は3時半を過ぎたろ頃だろうか、
上部階のテナントの社員がぞろぞろと階段を下りて帰宅している。
上司に「ウチももう帰りましょう」と進言。
上司曰く「5時までいないと‥」
ウソだろう?この非常時に何を言っている。
この有様に有休使わなきゃ帰れないのか?
ようやく出払っていた役員1名と連絡がつき、
「安全を確認しながら帰宅許可」が下りる。
するや否や、いやそれとは関係なしに
午後4時に第一陣が帰宅
概ね246を西に向かう一行だ。
私はその背中に向けて大きな声で
「またお会いしましょ~」
すると一斉に笑い声が。
私としてはどうかご無事での思いで、
そう言わざるを得なかった。
次に午後4時半頃もう一陣が帰宅。
明治通りを南下する一行だ。
さて、私はどうしようか‥
電車が動くまで待つか?
ラジオをずっと聞いていた私は
復旧するまでは時間がかかりそうだと判断。
5時になったら徒歩で帰ることを決意。
上司よこれで文句はないな。

〈つづく〉