帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

反撃の銭湯 (銭湯35/続・最終回)

荒川区の銭湯を巡るシリーズを一区切りしたものの
ちょっと間抜けながら最終回の続編を書く。
しばらくは銭湯ブログは書くつもりはなかったのだが、
いきなり書かざるを得ない状況下に。

一区切りつけた先週の土曜日。
記念すべき最終回をUPし、買い物に出掛けた。
陽も傾いた16時半頃だったか町屋近辺の
尾竹橋通りをクルマで走っていると、
左側の斜めに入る路地の突き当たりに銭湯が。
「あれ、こんな所に・・・あったっけ?」
そう言えばあったような無かったような・・・
30も銭湯に通うと場所はともかく、
どんな銭湯かは覚えていない所も多数。
きっと行った事ある銭湯だと思うが、
帰って確認してみよう・・・と、軽く気にかけた。

翌日調べるとそこには現存していない事がわかった。
もちろん行った事はない。
以前には確かに銭湯はあったのだが
現在休業中とあり、このブログでも
無いモノとして扱っていた。
実際、荒川区のホームページにも
どうしてか区内の銭湯一覧が見られるが
そこにも載ってない。
他の各銭湯サイトにもその名前はなく。
唯一、東京都浴場組合のサイトには
あるにはあったが、〈休業中〉の文字が。
一体どうしたわけか・・・?
幻の銭湯を見たのか・・・?
早速気になって行く事に。
自転車を走らせ目的地に着くと
しっかり営業中。
看板には「千代の湯」の文字。
暖簾も出て、中には明かりも見える。
20130727_688178
(カメラを持っていかなかったので画像は拾ってきましたスミマセン)

西尾久にも同名の銭湯があったが、
昔から同じ名前で特には関係ないと思う。
玄関には「15日、16日営業します」の文字。
期間限定の営業なのか?
暖簾をくぐるとにわか作りっぽいフロント。
そこには、アジア系と思われるオバサンがお出迎え。
「いらっしゃいませ」と言ったかどうか覚えてないが、
細かい銭がなかったので、千円札を出したら。
おつり540円を百円玉を手のひらで見せながら
「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ」
今度は十円玉を手のひらで「・・・、フォー」と
時そばパフォーマンス。
銭湯に来たのか外国に来たのか一瞬分からなくなる。
ほぼ日本語は分からないらしい。
まぁそれでも中に入るとまるっきりの昔ながらの銭湯だ。
天井はちょっと朽ちているが格子天井。
松竹錠もそのままだが、
やたらと静かにシーンとしている。
あるはずのテレビなどが置いてない。
ましてや、牛乳などが冷やしてある冷蔵庫もない。
まったく、無駄なモノが置いていない。
浴場にはおじいさんが一人入っている。
IMG_1103
ケロリン桶とイスを取ってガラガラの浴場へ進むと
驚いた事に半分電気を消している。
決して不便ではないが、窓側の電気を消し
女湯側の壁に付いている蛍光灯だけのあかり。
浴槽は大きいのと小さいのと区切りがあるが
繋がっているスタイル。
小さい方には下から粗めのブクブクが出てきている。
大きい方も小さい方も腰や肩を癒す
水平に出るジェット噴射はない。
正確には穴はあるけど出してはいない。
銭湯画がココにはあり、富士山と岩場の海岸。
右下には「西伊豆 25.8.12」の文字。
作者は書いていない。
休業中としながらも昨年の夏に描き上げた
まだキレイな銭湯画だ。
女湯の方は何が描かれているのか
ちょっと暗くて(笑)分からなかった。
見ると真ん中のカランの島には恐らくあったと思われる
鏡が無くなっている。
きっと古くて新しくするよりは取り外したんだと思われる。
とにかく無駄というか
コストを極力抑えているあとが伺われる。
湯船はそこそこ熱くいい湯加減。
カランはちょっとぬるめだった。
おじいさんが去り一人っきりで浸かる久し振りの銭湯。
日曜夕方5時過ぎでガラガラってどんなもんだろう。
大丈夫だろうか。
休業からの復活かも知れないがホンに心配だ。
しかし、とにもかくにも
休業中だったとは言え、
やってなかったところからの復活は聞いたことがない。
銭湯が廃業してトランクルームになったり
そのまま居抜きでお風呂に特化した
老人のデイサービス施設になったりしたのは
ウチの近くにもある。
しかし、そのまま銭湯として復活したのは
あっしは聞いた事がない。
これは歴史に残る出来事ではないだろうか。
小さい一歩ながら、人類にとっては大きな一歩だ。
なぁアームストロング。
進撃の巨人で言えば、
トロスト区を奪還した人類のように、
初めて巨人に勝利した日のように思える。
ひとり銭湯のまま御上がりに。
帰りに通じるかどうかわからんが2、3聞いてみた。
「ココハ イチド オワッタ セントウデスカ?」
「ウ~ン、ワカリマセン」
やっぱり通じない。
仕方がないので廃業?休業?のことは置いといて
別の質問を英語でトライ
「When open next time?」
なんか困っている。英語もおぼつかないのか、
あっしの英語がダメなのか?
「オーペン?」
「そう、オーペン!」
openをどこのネイティブか知らんが
オーペンと言っていてそれに合わせてやった。
すると何やらノートを見ながらスリー!と
3本指を出す。スリーってなんだ?
3日間しかやらんのか?
次は12月3日か?などと考えてたら、
どうやら3時から営業してるという答えだったみたいだ。
「Next open day, Next day! day! day!」と
時間じゃなく日にちを強調。でもまだわかってない。
「Weekend only? saturday sunday オーペン?」
サタデー、サンデーで気づいたのか。
「オーッ! ドヨウ、ニチヨウ オーペン!」
よっぽどオーペンが好きらしいが、やっと通じた。
どうしてか分からんが土日の営業らしい。
すると、フロントから何か入っている
ビニールの袋を取り出し
「ドウゾ、ヨロシクオネガイシマス」
見ると泥付きの大根。
「ア、アリガトウゴザイマス」
何だか分からんが、遠慮無くもらった。
朝湯で石鹸はもらった事はあるが
大根をもらうのは初めて。
よくよく調べると荒川区議(共産)のサイトに
今年7月に復活したとある。(こちら)
別には、11/1、2に銭湯まつりで限定復活とあったり
よく分からん。
土日だろうが、不定期営業だろうが
なぜ外人なのか、なぜ大根なのか
まぁこの際何でもイイ!
下町ピープルにとって

「反撃の銭湯」だ!

それにしても、シキシマってなんなんだよ・・・


(この項とりあえず終わり)