譲渡の場にはあっしはいなかった。
平日月曜の昼間ではなかなかいられない。
預かりボラさんは若い新婚早々の夫婦である。
ご主人も名残惜しいのか会社を休んできてくれたそうだ。
動物マイスターwの下の子がたまたま休みだったので
配偶者とお迎えした。
ウチに保護犬譲渡が決まった理由はいろいろあるが、
下の子の動物看護士のライセンスもその理由の一つだったらしい。
預かりボラさんが言うには、
「うちで最初預かった時に遠吠えしたので、何日かは吠えるかもしれません」
先に言ってよ~と思ったものの、ミルが来たことのほうが優っていた。
実際に、多少だが遠吠えを聞いたもののすぐに止んでいったので
大事には至らない。
ただ、ボラさん宅に数カ月お世話になっていたせいか。
ボラさんたちが帰っていった後も、ゲートを越えようとしたり
ボラさんを探しているらしく、うろうろ家の中を歩き回っていたそうだ。
それからというものの、うちの生活は一変しミルを軸とした
ほぼ20数年ぶりに子供ができたような、新しい家族との生活になった。
ただし、ミルの問題点もいくつかあった。
遠吠えはすぐに止んだが、
当シリーズ「2」でも触れたが、トイレは完全外派。
朝夕の散歩のときだけ用を足す。
家の中でやっても構わないと言っても言葉がわからないから無理。
台風や大雪のときはどーする?GOする!竹之内(笑)
実際ウチに来てから2カ月くらいのときだったか、
お腹のゆるい時に、夜中にあっしらの寝床にやって来て
吠えるわけでもなく、ちょこんと座って何やら訴える目をしている。
もちろんお腹がゆるいのだから、「外(トイレ)行きたい!」と
訴えているわけだが、トイレシートを広げていたから
「ここでしていいんだよ!」と何度言ってもわかるわけないよなぁ~(笑)
その時は配偶者が夜中に外に連れ出して行った。
あっしも最近同じことをやらされた。
こんな時間(夜中の2時)に犬の散歩してたら「職質」間違いないなと
ただの散歩に身分証も持参していったyo(笑)
それに、抜け毛の量が半端ない。
来た当初は、ボラさんから「毛がすごく抜けるんですよ」と聞いていたものの
ほとんど抜けていなかったと思う。
それが2~3週間たった頃だったか、やたらと毛が人の衣服に着き始めた。
家の中を歩けば靴下にはたくさんの毛がもれなく着いてくる(笑)。
あとは、とにかく寝る。いわれた通り猫のように寝ている。
普通犬はアクティブのような気がするのだが、ほぼ寝てばっか。
だから散歩に行くときも、行きたがらないという珍しい犬。
それでも、首輪やハーネスを嫌がるもののされるがままで
暴れもせず、吠えもせず結局はつけて散歩に出かける(笑)
そんなこんなでウチに来てから1カ月が経った時に、
保護団体からの決まりで、1カ月経ったらミルと家族全員の集合写真を
撮って送らなければならないとのこと。
ちゃんと生活できているのかをチェックするのだろうけど。
そんなん訳ない。
(ウチらは楽しいそうに笑っているが、当の本人は複雑な心境のようだw)
これで、正式譲渡が確定した。
(つづく)