帰ってきた!いけちんのずれずれ草

12年間続いた、ずれずれ草が帰ってきた!

裁判ウオッチ①

今はどうか分からないが少し前
裁判ウオッチが静かなブームだった。
本屋でフリーライターらしき著者の本を
何冊か立ち読みしたことから私も気になった。
というより、以前から傍聴して見たいとは思っていたが
なかなかきっかけが無かったので
本を見たときは正直先を越されたと思った。

過去に期せずして裁判所に行き、
ウオッチでなく当事者になった方には
あまり快くない話しだとは思うので軽軽しく
こうした風潮は歓迎すべきことではないのだが、
公事(くじ:裁判沙汰)慣れしない一般人にとっては
興味を引かれる部分も多い。

私もちょっと前になるが、ある日のこと仕事が午前中で終わり
休みをほとんど取っていなかったので、午後休みをいただいた。
丁度都心部にいた私は迷うことなく地下鉄に乗り霞ヶ関にある
東京地裁へと向かったのだ。
入口で空港の搭乗手続きのようなチェックを受けると
ファイルがいくつか並べてあり、
その日に審理される裁判のリストが記載されている。
やはり刑事事件がいいかなと思い、
確か2時ころから開廷される2つの法廷をチェックして
その法廷へと向かった。

何階かは忘れたがエレベーターを降りると
真ん中に長~い廊下があり、意外と照明が暗く(今思えば節電?)
昼間でも暗い印象だった。
両側の壁は法廷で右、左に曲がれば4つほどの法廷へと続いていた。
お目当ての法廷の前へ着くとまだ時間がちょっとある。
どうしようかと思っていたら、一番奥に待合室があった。
待たせてもらおうと中に入ろうとしたのだが…
そこには弁護士らしき人と女性二人がいた。
一人の女性がシクシク泣いている。
弁護士が「大丈夫だから…」と声をかけている。
さっきのファイルに書かれていたことだが
被告の罪名は詐欺横領。その初公判らしい。
おそらく2人の女性は被告の奥さんと娘だろう。
野次馬でしかない私は、さすがに開廷の時間になったものの
法廷に入る3人の姿を見送るしかなかった。
さすがに見に来たことを後悔せざるを得なかった。
  つづく